しっしーどっとこむ

元コンビニ商品開発のしっしーが食とお酒の知識やフリーランスの活動を発信していきます。

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【激レアバイト】航海に出る貨物船に泊まり込みでコックしてきた

こんにちは
料理大好きしっしーです
 
フリーランスになって収入もないので、ちょこちょこアルバイトをしようかと思い色々調べてみました。

 

 
アルバイトを探しているとこんな求人が‥
 
【造船所から出る貨物船の試運転における航海中の調理員募集・日給15000円】
 
めっちゃ面白そうなバイトみつけた〜!
給料もいいし、1週間くらい航海するらしいからめっちゃ短期で稼げる!
 
これは行くしかないと思い、即電話すると‥
 
フリーランス?あなたを探してました!」
 
とのことで時間の融通がきくだけという理由で即採用。
 

健康診断

後日、乗船のための健康診断に行くことに。
健康診断には自分の他にもう一名アルバイトをする人がいるらしくその人も一緒に受けることに。
 
当日、健康診断の為に造船所へ向かいました。
それにしても造船所って一つの町みたいにでかいんですね。
 
大きな門があって、中にバスが通っていたり家電屋さんや喫茶店があったりなど、ここで暮らせそうな勢いですね。
 
そんなこんなでアルバイト先の社長と合流。
造船所の貨物船の調理員は業務委託で普通の定食屋やレストランの人が船に乗り込んで調理する場合が多いようで、今回の場合もレストランを経営するおばちゃんがアルバイトを集めて船に乗り込んで食事を作るようです。
 
めちゃめちゃ元気すぎるおばちゃんで永遠に喋ってる感じ。良い人そう。
 
毎月この仕事はあるようなのだが人が集まらなくて困っているらしい。
 
んで俺が即採用になったわけね。
 
そしてもう一人のアルバイトの人とも合流。
なんでもこの人は、おばちゃんの友達らしくて強制的に連れてきたらしい。
 
もう定年迎えたおじいちゃん。
見た目はもう80歳くらいに見えるかなり老け込んだお方。
大丈夫か?と思いつつもおばちゃんは
 
「源ちゃん(おじいちゃんの名前)誰でもできる仕事だからよろしく!」
 
気の強さで押し切って源ちゃんを連れてきた模様。
しかも源ちゃんは居酒屋をやっているのにそれを閉めてこの仕事に駆り出されているらしい。

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でも、自分が見てきた経営者の人ってこうゆう風に人に頼む姿勢というか、バシッと人に頼るのがうまいなぁと感心。
 
そんなこんなで健康診断を開始。
診断内容は
 
・視力
・握力
・血圧
 
これだけ。
 
なんでも血圧が正常値でないと乗船できないらしい。
まあ。一度出港すると戻れないですし船の上で体調悪くなったら終わりですからね〜
 
ここで事件が起きます。
 
源ちゃんの血圧が200という異常値を出してしまいました。
何度測っても200前後という高血圧。
 
「これでは乗船は不可能ですね」
 
と担当官が言うとおばちゃんがとんでもないことを言い出した。

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「血圧下がる薬飲ませますから乗せてください!」
 
源ちゃんの意見というものは聞かないの?
 
「源ちゃん薬飲もう!」
 
おばちゃんの圧力に押されて源ちゃんも頷くことしかできない。
 
「血圧下がる薬は何年も飲んで効いてくるものであって、あと1週間しかないのに血圧は下がりませんよ」
 
乗務員がそう言うとおばちゃんがまたもやすごいことを言い出す。
 
「乗ってもらわないと困るのよ、1週間で血圧下げますのでよろしくお願いします。源ちゃんがんばろっ」
 
なぜかこのおばちゃんが面白すぎて憎めないのは俺だけだろうか。
だが、源ちゃんがかわいそうすぎる。
 
結局、造船所からは乗船できませんと言うことで話は決まり健康診断は終了した。
 
 

乗船当日

朝5時に待ち合わせ場所でおばちゃんと他のアルバイトの方と合流。
 
「しっしー君今日から3泊4日の航海よろしくね」
 
そう言うおばちゃんの横には源ちゃんが立っていた。

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このおばさん、どんな裏技を使って源ちゃんの血圧を復活させたのか疑問である。
多分、血圧は下がっていない‥そう俺は思った。
 

ついに乗船

 
そんなこんなで貨物船のコックのアルバイトがスタート。
 
メンバーは
 
おばちゃん(社長)
源ちゃん(おばちゃんの友達)
俺(しっしー)
 
の他に男性2名、女性2名の合計7名のメンバー。
 
貨物船はすでに沖に出ており、小型の漁船に乗って近くまで行かないといけないらしい。
なので、まずは食料を漁船に積むことからスタート。
 
ちなみに、貨物船には100名を超える乗組員が乗船しておりその人数に対応した食材を持って行かないといけないのである。
 
大量の食料を漁船に次々と積んでいく。
最近ろくに運動していなかったから息切れしながら作業するしっしー。
 
荷物を積み終えると、頭にヘルメット、腰には安全帯(命綱)を装着して港を出港。
 

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遠くにありえないくらいでかい貨物船が停泊しています。
テレビとかで見ることはあったけど、貨物船ってデカすぎる。もはや浮かぶ島。
 
貨物船に近づくにつれてその大きさがどれだけ巨大かわかってきます。

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貨物船の横に船をつけると貨物船の側面に沿って長い階段があります。
乗組員の方の手を借りて貨物船の階段に飛び移ります。ちなみに落ちたら死にます。
 
「みんな気をつけてね〜ウギャー!」
 
おばちゃんは階段に飛び移るのに失敗しそうになっていますが、大丈夫でしょうか?この先
 
なんとか船に乗船し自分たちが生活する部屋に荷物を置きに行きました。
今回は一人部屋に二人が寝泊まりすることに。一人はベッドもう一人は床に布団と言う格差社会
 
俺は源ちゃんと相部屋になりました。
 
若者の俺がベッドで寝るわけにも行かないので、源ちゃんにベッドを使うように言うと。
 
「わしみたいなもんは床でええ。若者が使えばええ。」
 

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となかなか源ちゃんがベッドを使いたがらないので、日ごとに交互に使用することで合意。
こうして3泊4日の貨物船生活がスタートしました。
 

一日の仕事内容

 
一日の流れ
 
5時半〜9時  仕込み、調理、朝食提供、片付け
 
9時〜11時   休憩
 
11時〜14時   仕込み、調理、昼食提供、片付け
 
14時〜16時半  休憩
 
16時半〜20時  調理、夕食提供、片付け
 
20時半〜22時  休憩
 
22時〜23時   夜食提供、片付け(交代で対応)
 
といった流れになっています。
拘束時間が長いように感じますが、休憩時間も多く意外と暇な時間が多かったです。
ちなみに海上なので電波届かないため、スマホ使えず。
 
本を持っていっていたのに時間がありすぎてすぐに本を読み終えるという事態に。
 
基本寝てるか、甲板に出て海を眺めていました。
 
驚いたことは、海上で見る朝日や夕日は言葉にならないくらい綺麗。
 

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船の上で黄昏るのも気持ちいいものです。
自分の悩みがちっぽけなものだと思わせてくれる大海原に感謝。
 

仕事内容

 
基本的に自分は仕込み(野菜切ったり)と食事を提供(運んだり)をしていました。
 
もう8年以上飲食業に携わってきたので他の熟練のアルバイトの人よりも料理ができると判明しひたすら仕込みをやらされていました。
 

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流れとしては、食事の仕込みと調理をして食事時間になったら乗組員の人が順番にきて料理を出してあげるというシンプルな感じ。
 
外国人の乗組員も多く、ベジタリアンの人もいのでその人にはオムレツを焼いたり、パンを出したりしていました。
また、宗教の関係で肉が食べれない人には野菜カレーなどのメニューで対応します。
 

船の船上飯はめちゃ豪華

 
船の乗組員ってどんな食事してるの?と思う方も多いと思います。
なんかイメージは食料は大切なので意外と質素なのかなと考えていましたが、正反対でした。
 
船上飯の豪華さに驚愕。
 
ある日のメニューの一例です。
 
・海鮮塩ラーメン(具沢山で麺が完全に見えないくらい大盛り)
・ツナとネギの漬け込み丼(ツナとネギを醤油とごま油に漬け込んだやつをご飯にぶっかける激ウマ丼)
・ポテトサラダ
・ほうれん草のおひたし
 
ちなみにご飯類はおかわり自由で、ボリューム満点。
 
しかも、全部一からて作りしているのでそこらの定食屋よりもうまい!
このおばちゃんの性格として、全部手作りしたものを食べさせたいらしくて4日目に提供するカレーをスパイスと小麦粉から作りはじめて3日間煮込むという手の込んだことをするのだ。
 
もはや専門店並みに美味しいカレーを船上で食べられる乗組員の人たちはかなり幸せだと思う。
全ての料理一品一品が手作りなので、作っていて楽しいし食べるのが楽しみになります。
 

なぜ船上飯が豪華なのか

 
なぜこんなに船上飯が豪華で美味しいのか自分なりに考えてみた。
 
①肉体労働で働く人が多いから
貨物船に乗る人は、船に揺られながら頑張って働いているわけで体力的にもきついです。
なので、しっかりと体力をつけてもらうために美味しいくてボリュームのあるご飯が必要だと思った。
 

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②娯楽が食事しかない
船上は電波が届かないのでスマホも使えないですしテレビも見れません。
しかも、揺られる船で共同生活をしなければならないのです。
もはや、娯楽は食事しかありません。
 
なので、この食事を最大限に楽しんでもらえるように工夫しているのですね。
食事が質素だったら、おかず一つのために喧嘩など始まる場合も考えられますよね。この環境だと。
なので、美味しいものを腹一杯食べてもらいストレスを軽減しているのでしょう。
 
それは、乗組員の顔を見ればすぐわかりました。
食事を出すときの嬉しそうな顔。
「わぁ!」 「美味しそうだな」 「おかわり確定だな」
 

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など嬉しそうな顔と言葉でこちらも嬉しくなります。
普通に飲食店に働いていたらこんな嬉しそにしている人なんかそう多くはいません。
 
食事に対しての感動レベルが違います。
「ごちそう様でした!」
 
嬉しそうにみんなが言ってくれます。
怖そうなヤンキー風の兄ちゃんも嬉しそうに食べて「ありがとう」と言ってくれます。
 
嬉しい限りです。
 
よって船上飯が豪華な理由を自分なりに解釈してみました。
 

幹部の飯はさらに豪華。幹部食堂と一般食堂

 
先ほど船上飯が豪華だとお話ししましたが、実は幹部と一般乗組員は食事が違います。
 
基本的に船社会での食事は幹部食堂と一般食堂に別れていることが多いです。
一般食堂は普通の食堂見たいなどこにでもあるような感じ。
幹部食堂は、高級中華料理店に来たかのような豪華な造りで、回転テーブルで優雅に食事します。
 
そして、幹部と一般の食事にも違いがあります。
 
ある日の夕食の一例を出します。
 
一般食
・カツカレー
・サラダ
・ひじき
 
幹部食
・エブフライカレー(巨大海老を2尾)
・サラダ
・枝豆
ホタルイカの刺身
・おでん5種
・ひじき
・生ビール
 
どうです?
早く幹部になりたいと思いましたよね。
 
幹部になるとここまで豪華な食事になるのです。
しかも、ビールが飲める。
 

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幹部はビールを飲めるとか、カイジの地下労働施設を思い出してしまいました。
 
今回のメニューでエビフライカレーを作りましたが、おばちゃんがありえないくらいでかい海老を仕入れてきていたので皿からはみ出るほどのエビフライができました。
それを2尾もカレーに乗せる。豪華すぎます。
 
でもかなりボリューミーすぎて幹部の人はいつもこう言います
 
「食いきれないよ(笑)」
 
確かにメニューを見ても食いきれない予測がつきますよね。
 
食事が幹部になるためのモチベーションになるかもですね。
 

調理員のはなに食ってんの?

 
基本的に僕たちは乗組員と同じ食事をしています。
大量に調理するので、あまりも多く出ます。
 
好きなものを好きなだけ食べます。
なので幹部食を食べることが多いですが、おかずなど余っているので幹部食より豪華な食事ができます。
 
しかも、冷蔵庫にあるビールが飲み放題というおまけ付き。
豪華な食事にビール飲み放題。
 

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船に乗って規則正しい生活することで痩せることを期待していましたが、完全に太りました。
 
よく考えたら、豪華3食付き(ビール飲み放題)で日給15000円って最高すぎませんか?
 
この待遇を知ったので次回も参加する予定です。
 

源さん船を降りたいと言い出す事件

 
高血圧を乗り越えて、乗船した源さんですが。
凄まじく仕事ができませんでした。
高齢ということもあるので、自分は気にしなかったのですが、他のアルバイトの人が苛立ち始めました。
ちなみにアルバイトのリーダーは源さんよりも少し年上の61歳、なのに見た目は40代というエネルギッシュな人。
 
源さんは見た目は80歳、2人が同年代とは思えませんでした。
 
源さんは次々と他のアルバイトの人を敵に回していきます。
 
・仕事をせずに立ち尽くすだけ
・洗い物が泡だらけor汚いまま返ってくる
・言われたことを覚えられない
・もはやなにもできない
 
まあ仕方ないな〜と思っていましたが、他のアルバイトの人がイライラして言葉がキツくなってきてなかなか雰囲気が悪くなってきました。
 
まずいなぁと思っていたらおばちゃんからある報告がありました。
 
「3日目の夜に通信船が来るけどどうしても降りたい人は降りていいよ」
 
すると源ちゃんは
 

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「わし、降りるわ」と言い出しました。
 
まあ、高齢だし空気も悪くなってるしそうかーと思いつつ聞いているとおばちゃんが、
 

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「船降りるときに転落するかもしれないし、乗っておこうよ!降りるのは自由だけど暗いし家まで帰れない可能性あるから残ろうか」
 
もはやこのおばさんに下船させると言う選択肢はないのである。
じゃあ、なぜ降りる人を募ったのだろうか?謎である。
 
そんなこんなで源ちゃんは船に残ることに。
 
 

貨物船に乗って分かった、日本の行く末

 
先ほど幹部食堂の話をしましたが、幹部食堂にくる人は普通の幹部っぽいおっさんなどいませんでした。
なぜなら、半分はインド人だから。
 

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インド人は優秀な人が多く、頭脳では世界最高峰と呼ばれるほど数学やITの能力が優れています。
そんな人たちが日本で幹部として働いているのです。
 
一昔前はインド人もそこまで多くなかったはずです。
こんなにも外国の頭のいい人が日本の産業を支えていることは想像できませんでした。
 
日本人が外国人を安い賃金で労働させる時代はいつか終わると言われています。
今度は日本人が頭のいい外国人に使われる、そんな時が来るように感じました。
 
実際にそうなっているのですから。
そして、日本に住む人のほとんどがそれを知らないという事実もあります。
 
どんどん頭のいい人が日本に来ています。
ホリエモンこと堀江貴文さんも話しておられましたが、日本が豊かな時代というのはもうとっくの昔に終わっていて東南アジアにもう抜かされようとしているのです。
 
自分もそうでしたが、日本は豊かな国。という考えを持っている人が多いと思いますがもうそんな時代は終わっています。
 
安いと言われていた東南アジアの物価も着々と日本に近づいて来ています。
まず、その事実を日本の人に知ってもらいたいと貨物船に乗って強く思いました。
 

3泊4日は結構しんどい

 
船の上での3泊4日は肉体的にしんどかったです。
船を上は揺れるので、グラグラした状態で仕事をして寝るときも船の揺れで寝れないこともありました。
 
そして、仕事と仕事の間の休憩が長いので気分的に拘束時間が長く感じます。
 
5時半〜20時までの実労時間は短いですが、毎回休憩終わったら仕事というストレスがあるので疲れは取れませんでした。
 

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あと、おばちゃんの人づかいが激しかったので毎回米を地下倉庫から運ばされていたので足がパンパンになりました。
 
でも、疲れた分ご飯がめちゃくちゃうまい。
娯楽がない船上、これを楽しみに生きるしかなかったです。
 

おばちゃん(社長)が面白すぎた

 
先ほどからこのおばちゃんのおもしろエピソードを話していますが、他にも色々ありました。
 
・シンクを掃除してと頼まれて、シンクを掃除してピカピカにした瞬間に大量の廃棄の油を流し込まれる。
 
ベジタリアンの人に食べきれないほどのジャガイモを盛り付ける(丸々10個ぐらい)
 

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・フライパンを熱しすぎて炎が天井まで上がっているのに雄叫びをあげながらそのまま調理続行。
 
などなど面白いことが多かったです。
なぜか憎めないおばちゃんは英語もペラペラで意外と国際派。
 
あと、料理へのこだわりがすごいのでなんでも手作りするのがすごい。
 
これからも元気で活躍してほしいです(もう還暦)
 

そして下船へ

 

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3泊4日の航海も終わり、いよいよ下船する時がきました。
気づけばあっという間の4日間。
帰れるという気持ちよりも、もっと乗っていたいという気持ちの方が強かったように思う。
 
本当に楽しい日々だった。
毎月、この仕事はあるみたいなのでまた乗船するであろう。
 
しかし、これだけ楽しめて日給15000円は最高だなぁと心から思いました。
 
4日間で稼いだ金額60000円
 
ちなみに4日目は朝食を作ったあと下船したので4日目の時給は5000円くらい(笑)
 
毎回人が足りないらしいので、このバイトをやってみたい方はしっしーまでご連絡を。
 
以上、貨物船に乗って幸せを感じた4日間でした。