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元コンビニ商品開発のしっしーが食とお酒の知識やフリーランスの活動を発信していきます。

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【就活・転職活動に】元コンビニ商品開発職が開発の裏側を暴露

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こんにちは。
 
元コンビニ商品開発職のしっしーです。
 
しっしーは某コンビニ本社の商品開発部でお弁当のレシピやアイデアを考えるMD(マーチャンダイザー)として働いていました。
 
そこで今回は、アイデアの開発段階からコンビニ弁当ができるまでの工程をみなさまに紹介いたします。(各コンビニチェーンで違いはあります)

 

業界では花形と言われ、超人気職種の商品開発の仕事の全貌をお見せいたします。
 
就活生や転職をお考えの方にも参考に読んでいただけたらと思います。
 
企業秘密などあるので多少フェイクはありますが、どのコンビニチェーンでも通用する内容だと思います。

①企画会議

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この会議ではお弁当のコンセプトを決めていきます。
コンビニのお弁当は基本的には3ヶ月〜半年先までメニューはざっくりと決まっています。
春であれば夏から秋にかけてのメニューを考えます。
 
コンビニのお弁当やおむすびの新発売日は毎週火曜日ですので、これを半年に換算するとお弁当だけで24種類のメニューを考えなければなりません。
 
発売が先のお弁当などは『鶏肉を使った中華系弁当』ぐらいしか決まっていないこともあります。
 
その弁当のアイデアたちを個人に割り振られて、本格的に開発を進めていきます。
 

②発売3ヶ月前

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ここではざっくりとしたメニューが決まっているのでアイデアの内容を詰めていきます。
 
例えば『中華系の鶏肉を使った弁当』などのコンセプトがある場合は、鶏肉×中華などで世の中の人気メニューなどを徹底的に分析していきます。
 
情報収集には個人差があると思いますが自分は、まず人気レシピサイトなどで鶏肉の人気メニューや中華の人気メニューなどを調べます。
 
そこからどんな味付けが人気なのか、使用している野菜の種類、見た目の華やかさなどを分析していきます。
 
また、ネットには大手の情報会社がアンケートを取った、鶏肉が好きな女性の割合や鶏肉メニューなら何を食べたいかなどのランキングも無料で公開されています。
 
そういった情報を総合して万人ウケするメニューは何か考えます。
自分が食べたいメニューではなく、誰もに好かれるメニューを考えるのがポイントです。
 

③発売2ヶ月半前

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収集したデータをもとにメニューの詳細を決定していきます。
ここではデータをもとに『鶏肉の中華あんかけ弁当』としておきます。
 
ここで部長にこのメニューのプレゼンをします。
ここでは集めたデータを元に売れ上げ予測や味のイメージなどを伝えます。
承認が下りれば本格的に開発開始です。
 

④発売2ヶ月前

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メニューが決定したらお弁当を入れる容器を決めます。
 
内容量によってコストが変動するので容器選びはかなり重要な項目になります。
 
各容器メーカーのカタログから容器を選んでいきます。
そして目星をつけた容器を各社にサンプル依頼を出します。
大体、5種類〜10種類ほど容器を決めておきます。
 
その後、食材のサンプル依頼に移ります。
鶏肉メーカーや中華あんに使用するたれメーカーさんに片っ端から連絡して、メニューのコンセプトを伝えて何種類ものたれを送ってもらいます。
必要があれば直接メーカーの営業の方と会って、直接商品をプレゼンしたりしてもらいます。
 
タレだけでも10種類以上も試すことになるのでなかなか根気のいる職種だと思います。
コツコツ地味な作業をやるのが好きな人にも向いていると思います。
 

⑤発売1ヶ月半前

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各社から膨大な種類のサンプルが届くので、これらを使用して試作を開始します。
 
ここでは鶏肉の焼成時間や煮込むものがあればその時間などを細かいデータを取っていきます。
 
10分焼いた肉と10分30秒焼いた肉ではどちらが美味しいか?
どちらの焦げ目が美味しそうか?
この焦げ目はクレームにならないか?
など膨大な時間を費やして何度も試作します。
 
なぜこんなことをするのかというと、実際に商品を作るのは工場のおばちゃんたちなので、きちんとした焼き時間やタレを分量のレシピを工場の方に提出しなければなりません。
全国で発売されるので、おばちゃんがタレを1gかけるところを2gかけていたら膨大な赤字になってしまいます。
当たり前ですが、コストは命です。
 
それなのでこの試作に費やす時間はかなりの根気が必要です。
鶏肉にまぶす小麦粉と塩の配合やその量までも何度も試すので、はっきりいって終わりが見えない戦いになっていきます。
一番美味しい配合を見つけるのも大切ですが、コストオーバーしてはダメなのでそこのバランスを見ながら調整していきます。
 
そして、鶏肉の焼成時間が決まったら日持ち検査をします。
各社の日持ち条件は違いますが、ざっくりいうと真夏の炎天下に丸二日その鶏肉を晒しておいても腐らずに食べられたら合格です。
 
いや、そこまで日持ちするの?と思われるかもしてませんがコンビニのお弁当に使用される食材は添加物が大量に入れられています。
鶏肉などの原料ならば、日持ちさせる添加物の液体に漬け込んでから焼成します。
はっきりいって、コンビニ弁当は子供などに食べさせないようにしましょう。
 
真夏で丸二日置いていても美味しく食べれる(各社の基準はあるのでざっくりです)こと自体おかしいことですからね。
 
ちなみに余談ですが、東南アジアのどこかで津波が来て多くの方が亡くなられた災害が過去にありましたが日本人の遺体だけはいつまでも腐らずに残っていたそうです。
 
コンビニ弁当はほどほどに!
 

⑥発売1ヶ月前

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ここでは一気に発売に向けてスパートをかけます。
 
お弁当に入れる鶏肉の個数や野菜の量、コストなどを算出していきます。
そして、例に挙げている『鶏肉の中華あんかけ弁当』の場合は最後にかける中華たれを3種類ぐらいに絞っていき試食サンプルを3種類作ります。
 
そのサンプルを部長などに試食してもらい、たれの種類や分量などの意見を聞きながら商品を完成形に近づけます。
ここでOKが出ればいよいよ社長プレゼンに移っていきます。
 
発売1ヶ月前になると忙しいので、早急に社長プレゼンを行います。
なぜなら社長プレゼンでダメだと言われれば全て作り直しです。
 
作り直しといっても発売1ヶ月前です。
なので絶対にプレゼンを通さなければ地獄を見ることになります。
 
商品の完成形を作り社長に試食してもらいます。
ここが一番緊張します。
 
ちなみにタレが濃すぎる、彩りが悪いなど様々なことを言われます。
 
こちらはコスト面があるのでたれの量や彩りのギリギリラインで作っているので最高の理想の商品は作れません。
最高の理想の商品を作ろうとしたらリアルに2000円くらいの弁当になります。
みなさん、あのクオリティで手頃な弁当が食べれるのはすごいことなのですよ。
 
もちろん社長は消費者目線で見るので、理想の商品を求めます。
ここが商品開発の難しいところで、理想のお弁当とコストの問題で板挟みになります。
 
でもここを乗り越えれば発売へ向けてラストスパートです。
 

⑦発売2週間前

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社長プレゼンに合格したら、商品の作り方の手順書やカロリー計算などを行っていきます。
商品の詰め合わせに不安がある場合は、実際に工場に行って詰め合わせに問題がないかテストなどをします。
 
はっきり言ってここが一番忙しいです。
各種書類提出などの事務作業が数多くあるので死に物狂いで作業します。
お弁当を発売する道のりは険しいです。
 

⑧発売1週間前のラストスパート

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ただ売れることを祈ります。
 
以上、コンビニ商品開発の仕事内容でした。
 
なんだか楽しそうかもと思った方がいるかもしれませんが、発売3ヶ月前の作業の時点で発売1ヶ月前の商品や発売2週間前の商品、発売1週間前の商品も同時進行で進んでいることを忘れないでください。
 
はっきり言って、生きた心地がしないほど激務でした。
世間の人は楽しそうで最高じゃーんと言いますが、この仕事は本当に商品開発が好きな人がやらないと心が折れると思います。
 
就活生の方も、楽しそうというイメージだけで会社を決めるのではなくしっかりと情報収集しながら就職活動しましょうね。