高校生になった俺は寮生活を始めていた。
県内でもとくに厳しい寮で、この寮に住んでいる子が欲しいという会社が複数あるほど厳しい寮であった。

おデブのナベくん
そんな寮生活も大変であったが、楽しく過ごし高校生2年生の冬を迎えていた。
寮の友達は個性的な人が大勢いた。
その1人がナベ君である。

彼は体重100キロ越えの巨漢で部活もせずに学校が終わったら寮に帰ってニートしているほど怠け者な奴だった。
学校もめんどくさいので仮病を使って基本的に月曜日は休んでいた。
そんなナベ君は今日も体調悪いから休むよ〜と言っていた。
そんなナベ君をみて「また仮病かよー」と言ってプヨプヨのお腹を触ったりしてボディタッチをしていた。
その夕方、俺は部活に精を出していた。
陸上部のキャプテンをしながら、バレー部の助っ人、執行部の役員など学校の中ではエリートコースを進む優等生だった。

下痢発症
そしてそのバレー部の練習中、俺はお腹が痛くなってトイレに駆け込んだ。
(くっそ、下痢がとまんねぇ‥)
部活をしながら、何度も何度もトイレに行った。
しかし、普段からお腹を壊しやすい俺はなにも気にしなかった。

そして、寮に帰り風呂を済ませてご飯を食べた。
そして、ナベ君の部屋に遊びに行った。
「体調悪いから、明日も休もうかな〜」

まーた、ナベ君が言ってるよ。
「仮病使うなや〜」
と俺はナベ君にベタベタ触った。
そして、ナベ君と戯れてたら消灯時間なので部屋に帰り就寝した。
しかし、その間も下痢は止まらずなかなか眠れなかった。
少し苦しみながらも俺は気づいたら深い眠りについていた。
起床‥そして
チュン‥チュン‥
「ん〜‥‥えっ?」
俺は起きた瞬間に気づいてしまった。
いや、目を開ける前に全てを悟った。

そう、お尻が冷たい。
ベッドに一晩分のブツをぶちまけていた。
その事実を受け入れられず、5分間動けなかった。
しかし、不幸中の幸い。
まだ、午前5時‥皆が起きる前になんとかこの状況を打開せねば。
布団への被害も多少あるが、まずはパンツとズボンを、どうにかせねば。
俺はすぐにトイレへ急いだ。
パンツを脱いで考えた。
風呂も洗濯機も現在は使えない。ゴミ袋もない。
(よし、窓からパンツ投げ捨てよう)
よくもこんな危険な行為に出れるのだろうか?
窓の外も寮の敷地内で自分たちが草むしりしたりする場所なのだ。

小学生のうんこ漏らした時から全く変わっていない「なんとかなる精神」
俺はじんわり重くなったパンツをトイレの窓から投げ捨てた。
そして幸いにもパンツは屋根の水を排水するパイプに引っかかり皆の目の届かない所に収まった。
結果的に面白くない展開である。
誰にもバレすにパンツを処理してしまう俺。
面白くない展開は終わり。服を着替えた俺は食堂に向かった。
そこで衝撃の光景を見ることになる。
ノロウイルス蔓延
食堂で皆が苦しんでいるのである。
下痢や嘔吐を繰り返している人が集まっていた。

そう、寮でノロウイルスの集団感染が起こっていたのだ。
そして俺もその一人になっていて、多くの生徒が病院へ運ばれた。
点滴を打たれながらある事実を知る。
そう、ナベ君がノロウイルスの根源を持ってきていたということ。
まるでオオカミ少年ではないか。
体調悪いとほざいておいて体調悪くない。
それをいつも繰り返しておいて安全だと思わせる。
本当に体調悪い時でも信じてもらえずに寮が全滅する。
現代版のオオカミ少年の出来上がりである。
テストの時期だったし、散々な思いをしました。
みんなも、寝るときはトイレに行ってから寝ようね。
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