前編からの続き‥
別れ話
がんこちゃんとのお付き合いに限界を感じたしっしーはがんこちゃんに別れを告げることにした。

しかし、チキンの俺はなかなか言い出せずに何日も過ぎていった。
このままではいけないと思い、仕方なくメールで伝えることに。
送信者:しっしー
ごめん、がんこちゃんのこと友達としてしかみれない。
本当にごめんね。
メールを送信した瞬間、嫌な予感がした。
というかその予感しかしなかった。
(メールを見たがんこちゃんが全力で自転車漕いで俺ん家に来る)
俺の家とがんこちゃんの家は10キロくらい離れている。
だが、がんこちゃんは安い品があれば20キロ先のスーパーまで自転車漕いでいくほどの強靭な肉体の持ち主。
俺の家に来ることなど容易いのである。
そして‥
ピンポーン
予想は的中した。
恐る恐る扉を開けると魂を抜き取られたような顔のがんこちゃんが立っていた。
「なんでなの?結婚するっていってたじゃない」
やっちまった
結婚するのっていう質問にいつもするすると適当に言っていた俺を憎んだ。
するする詐欺の第一人者しっしー
ひとまず近くの公園で話をすることに。
別れたいと思った経緯などを伝えることにした。
二人は立ったまま話した。
しかし、俺は恐怖を感じていた。
さ さ れ る か も
がんこちゃんの世界が終わったような、もうこの世の中などどうにでもなれみたいな顔が恐怖を倍増させた。

俺は足を肩幅まで広げ、いつでも動ける体制を整えた。
はっきり言って俺はガタイもいいしスポーツも万能だ。
だが、がんこちゃんもスポーツ万能で体力だけなら俺は負けてるかもしれない。
万が一、ナイフを持って追いかけられたらまずい。
そう思ったが、何事もなく話を終わらせてその場をすぐに立ち去った。
ストーカー化
その後、友達と深夜からゲームをして遊ぶ約束をしていたので自分のアパートへ帰り友達を待った。
ピンポーン
「しっしー、がんこちゃんがそこの角に立ち尽くしてるよ‥」
友達がそう言いながら尋ねてきた。
「別れたんだけど、まぁすぐに帰るでしょ」
そう言うと友達も納得してゲームをすることに。
気づけば6時間くらい経っていた。
友達もそろそろ帰って大学行く準備しないといけないと言うことで友達帰宅。
するとすぐにさっきの友達から一通のメールが
送信者:友達
しっしー、がんこちゃんがまだあの角に立ってる。気をつけて
俺は震え上がった。
本当に殺されるかもしれない。
何時間も同じ場所に立っていたがんこちゃん‥もはや狂気である。
そしてすぐさま友達にメールした
送信者:しっしー
毎日メールで生存を確認して
返信がなかったら俺死んでるかもしれないから警察に連絡して
アルバイト先の恐怖
俺の恐怖の予想は的中した。
最悪なことに同じアルバイトなのである。
幸いにもあまりシフトは被らなかったが、恐怖は続いた。
アルバイト先のゴミ捨て場で毎日がんこちゃんが立ち尽くしていると言う情報が耳に入った。

確認を兼ねてアルバイト終わりにゴミ捨て場に行くとがんこちゃんが死にそうな顔で立ち尽くしていた。
まずいと思いすぐに俺は立ち去ろうとしたががんこちゃんが引き止めた。
「ごはんが食べれません!!」
えっ‥なになに?
何が起こったのと思っていると
「ショックでごはんが食べれません!!一緒に食べてください!!」
聞くところによるともう1週間くらいまともにごはんを食べていないらしい。
でもあまりに怖かったので食べない方向に話をすることに。
「ここでごはん一緒に食べたら、また次もまた次もってなるから食べれないよ」
しっかりと断った。自分の命の為にも。
その後、毎日のようにバイト先周辺でがんこちゃんの目撃情報がニュースになっていた。
本当に刺されたりしたらシャレにならないですよあんた。
毎日怯えながらアパートに帰り、震えながら眠る夜が続いた。
意外な結末
するとある日、バイト先の休憩室で楽しそうに電話をするがんこちゃんがいた。
バイトの先輩に聞くと‥
「がんこちゃん新しい彼氏ができたらしいよ」
え‥えぇぇぇぇぇっぇぇぇぇぇっぇぇえ!
まじですか?
安心した気持ちと共に、なんだか負けた気がしてきた俺がいた。
この一件によりストーカー事件は終わりを迎えた。
そして、最近フェイスブックのいいね機能でがんこちゃんが結婚したニュースが流れてきた。
がんこちゃん おめでとう
ストーカーに悩まされたしっしーのプロフィール
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